恭弥さんの日記

徒然なるままに好きなことを綴っていく

あなたを愛してもくれない、あなたに向き合わない男なんぞ撃殺せよ

私の友人に、セフレのことがとても好きで、離れられない子がいる。
「セフレの気持ちが分からない」
「彼は私の事が好きなの?」
「何を考えているの?」
「どうして付き合ってくれないの?」
「幸せだけど、すごく苦しい」
そう言って、でもボロボロになりながら笑っている子だ。

割り切れない感情を持つ相手と、付き合っていないのに身体の関係を持った。
自分は彼が好きで、彼も自分のことが好きなのはなんとなくわかる。
だからきっと、付き合えると思っていた。でも彼は、一向に告白をして来ない。
自分からは言いづらいのでなんとなく探ってはみるけど、曖昧な言葉ではぐらかされる。
それじゃあ!と勇気を振り絞って告白してみても、「あなたのことが大切だけど、今は付き合えない」なんて言われる始末。
そのくせ彼は私にとても優しい。毎日LINEして時々は電話する。
頻繁に会って、sexなしのデートをすることもある。
お互いの誕生日も祝いあうし、クリスマスも一緒に過ごした。
それに他に女の気配もないしそもそも独身だ。それなのに付き合っていない。
もうどうしたらいいの?現状は膠着状態。

友人の話を聞いて、ああ。私にもそういう時期があったなと思った。セフレとのことに悩んでみたり、セフレと付き合っては速攻で別れたりしていた――ので、なんとなく気持ちはわからなくない。

ラブホテルや相手の家で、2人まったりとベットの家でまどろむ時間が好きだった。
一緒に料理を作ってお酒を飲んで、時々はちょっとお高めのレストランやお洒落な居酒屋でディナー。たわいない話で笑いあって額や頬をくっつけて。ツーショットの写真を撮ってみたり、抱き合ってみたり。彼が愛おしそうに私の髪や頬を撫でるのを、まるで宝物になったみたいだなって思って、優越感に浸ってみたり。
忙しい合間を縫って会いに来てくれると、とても幸福でどうしようもなかった。
私は幸せだ。きっと彼は私のことが好きに違いない。だってとても大切にされているもの。
今は彼の気持ちが決まってないだけ、そのうちに付き合える。今は彼女ではないけど、大丈夫。そう信じて夢見ていた。
結局そのセフレとはお互いがお互いを選ばなかった。私が飽きてきたというのもあるし、相手も別の女性を選んだ。
でもきっとそれでよかったのだ。だって目が覚めた。私は愛されてなどいなかった。
それは彼女ではない、この事実だけで十分にわかることだったのに、夢を見ていた私は気づかなかったのだ。

セフレがとても優しいのも、マメに連絡してくれるのも、頻繁に会ってsexなしのデートをすることも、プレゼントも、何もかもが身体の関係を維持するための手段だ。
そのために優しさを投資するのは、痛くも痒くもない。
なんなら優しさを投資する手間すら惜しいから、優しさを投資しなくていい代わりにわざわざ何万円も払ってキャバクラで恋愛ごっこをしたり、風俗に行く。男はそういう生き物だと思う。
でなければ、キャバクラや風俗なんてこんなに繁栄はしなかっただろうし、きっとそもそもこの世に存在しないだろう。
でも待って。男がわざわざ何万円も払ってキャバクラや風俗に行く生き物だって言うけど、彼は私に会うのに何万も払わなくていいし、普通に優しくて頻繁に会っていてプレゼントもくれてsexなしのデートをしている。
私のこと、やっぱり好きなんじゃないの?とか思うかもしれない。
うーん。彼があなたのことを、全く好きではないかというとそういうわけでもない。何度も会ってsexする仲だ。多少は好きだという気持ちもあるし、愛おしいと思う瞬間や嫉妬することもあるだろう。
確かに彼は優しいかもしれない。sexなしのデートもするし、もしかしたら今までの元カレたちと違っていい男に見えるだろう。でもそれだけだ。
ちゃんと付き合いたいから待ってて、なんて言われていたとしても、付き合っていないのに身体を求められるという1点ですべて覆る。
そもそも。男は大事な女を、セフレには、しない。
たとえ愛しているのに付き合えないというのであれば、正しい距離感で、プラトニックな関係を守るはずだ。たとえどれだけ誘惑しても、決して手は出さない。
彼に愛されていないと判断する理由は、セフレである。このひとつだけで充分。

彼女になれる女と、セフレで止まってしまう女の違いは単純明確だ。
彼の中での合格点に達したか、達さなかったか。
合格点をもっと簡単に言うと、見た目、性格、その他もろもろ自分のタイプかどうか、ということ。あなたにもあるだろう。付き合うならこういう人というのが。
見た目、性格、その他もろもろの点数が、彼の中で合格点に満たなかったから、あなたは彼の彼女ではなく、セフレなのである。
じゃあ合格点に達したとして、そもそもの話として付き合うって、どういうことなのだろう。

男にとって一人の女性と付き合うことは、決して楽しいだけのものではない。本能との戦いの始まりだ。
男は本能レベルで子孫繁栄のために不特定多数の異性と関係を持ちたい生き物だ。逆に女は本能レベルで一人の男に守られていたい生き物である。
遠い昔の生存戦略として遺伝子に刻まれているので、もうこれはどうしようもないが、付き合うというのは男からすると厄介なのだ。
不特定多数の異性の誘惑や素敵な女性からの告白も、彼女がいると断ったりしなければいけない。
そして彼女からの束縛。例えば女の子と2人で飲みに行かないでとか。女の子と連絡を取っていると誰なのかと聞かれたり詰め寄られたり。こういった多少の束縛は受け止めなければならない。
それでも彼女を作るのはなぜか。
その女性がとても魅力的で価値のあるように感じられるからだ。そして男に「この子を幸せにしたい」「誰にも取られたくない」と独占欲を芽生えさせるのだ。
付き合うと自由は制限されるし、束縛はされる。こんなのデメリットにしか思えない。
でも付き合うことで、彼女を独占する権利を得ることができるから、犠牲を払ってでも、付き合うのだ。

ではセフレで止まっているあなたは何だろうか。
はっきりというと、彼の中であなたは上記のデメリットを上回るくらいの魅力と価値がないということだ。
だからはぐらかすし、付き合わない。
犠牲を伴わずに恋愛ごっこだけを楽しめるセフレのままなのだ。
そして彼はあなたが傷つくことも、あなたが誰かにとられる可能性も分かったうえで「それでも良いや」と、今の関係を続けている。
なぜなら彼の合格ラインの容姿で、性格もまぁまぁ悪くないし相性もいいし一緒にいて楽しい女といつでも好きな時に、風俗みたいに何万も払わずに無料でsexができるというのは、それだけで価値があるからだ。
そんなのどうしたってひどい。自分本位すぎるし、どこにもあなたを思っての行動なんて一つもない。
だってもうどうしても、付き合えるかどうかも不確実な未来を餌に、とても不誠実な関係性で成り立っているようにしか思えないのだ。私がそうだったから。私はあの時間を、経験値として不要だとは思っていないが、どうしても、貴重な若い女としての時間を無駄にしたのではないかとは思っている。その時間にもっといい恋ができたかもしれないのに、と。
だから正直なところ友人に言いたいのは、セフレはあなたを全く愛してなどいない、ということだ。
はっきり言っても目が覚めるかどうかはわからないけれど。

でもそんなしょうもない男に入れあげるな、傷つくな。自分の価値を忘れるな、惑わされるな。
あなたはとても魅力的だ。
愛されている理由を探すなら、あなたの魅力と価値に気づいている男との間に、愛を探せ。
あなたを愛してもくれない、あなたに向き合わない男なんぞ撃殺せよ。