恭弥さんの日記

徒然なるままに好きなことを綴っていく

身体は売れる、それは事実だと思う。

COVID-19で友人や知人の何人かが無職になっている。それだけだったらまだいいのだが、なかなか仕事が見つからないのだ。生活費も底を尽きてきているという。もうこの際働けたらなんでも、彼ら・彼女らはそういう。その中の一人に「風俗で働こうと思うんだけど、どう思う?」と言われた。私は風俗で働くなどと言いそうにない子が、風俗という単語を出してきたことを少しだけ悲しくなりながら、悩むならやめた方がいいよと言った。

私は、女性の貧困に関しては「身体売れるしなあ」とか思ってしまうタイプの人間だ。そして「身体売れるしなあ」と同時に、それが実行できてしまうポテンシャルの高さを持っている。自分の身体はとても強い武器であることをきちんと正しく理解もしている。まぁもろ刃の剣だけれど。だから身体を売ることにあまり抵抗感はない。もう倫理観もある意味ガバガバだ。この感覚はきっと一生消えないんだろうと思う。末恐ろしいことに。でもきっと私はそうじゃなければセフレなんかいなかったし、パパ活もガルバもデートクラブも何もかもしていなかっただろう。むしろ今がびっくりするほどクリーンなのだ。たった一人の相手に操を立て、結婚しようとまで約束している。

別に風俗という仕事が悪いとは思っていない。もちろんお金のために仕方なくやっている人もいるけれど、何かしらの理由で会社で働けないから、お金が好きだから、整形したい、夢や目標がある。様々な理由でみんなこの仕事を選んでいる。そしてごく一部の風俗嬢は自身の仕事に楽しさを見出し誇りをもってやっている。

風俗嬢という仕事は、恐らく大多数の人間が抱くイメージよりずっとホワイトだ。変なお店さえ選ばなければどこかの組合員のような怖い店長はいないし、タコ部屋のような待機室もない。普通の会社員に見える従業員や店長がいて、待機室は綺麗な個室や寮。Wi-Fiとテレビが完備され、お菓子やお茶、ジュースが置かれている。そして給料は業種や出勤日数にもよるが、一般的な会社員の給料と比較にならないほどに高額だ。これだけ見ると、それほど恐ろしい場所でもない。まぁ接客は辛いこともあるだろうが、1人1人とこなしていけば徐々に慣れていくし対処法を覚えて強くもなっていく。

それでも、迷うならやらない方がいい。

もちろん、身体を売ることは悪いことだとは思わない。私は「身体売れるしなあ」と普通に言える人間だ。だからそれこそ借金や失業で、今すぐお金がないと生命の危機なんだと言われれば風俗で働くことを勧める。命あっての物種だ。自殺するくらいなら働いた方がいい。でも迷うのなら、きっと後悔するから勧めない。ちなみに楽して稼げるから、という理由ならもっと反対する。だって楽に稼げるわけないのだから。

風俗で働くことはどういうことか。今から街ですれ違う普通の男に、お金を渡されてキスやsexができるかどうかを考えてほしい。だってそういう仕事なのだ。楽に稼げると思ったら大間違いで、嫌だと思うことも気持ち悪いと思っても、金銭のやり取りが発生したら、そのお店でできるサービスはすべてやる必要性がある。

こうしてみると「うっ、、、」と詰まるかもしれない。でもそのうち身体を売ることへの抵抗は驚くほどすぐに薄れていく。最初だけものすごくしんどいけれど。きっとすぐに慣れる。そして1度身体を売ってあっさりお金を手にしてしまうと、身体を売ることで簡単に稼げることへの肯定感が芽生える。最初は嫌だったキスもなにもかもが平気になっていく。もちろん人前で裸になることにも、品定めされることにも。もしかしたら指輪をした男に口説かれたり、子供の話を聞かされたりするかもしれない。そのたびに男は浮気や不倫をする生き物だ!と全ての男に尊敬の念を抱けなくなったり、男友達にも性的視線を感じ、少しの好意を示す言動にも不快感を覚えるようになるかもしれない。

それでも昼職よりも稼げる。そこが怖いよね。

私は自分の身体を武器にしてきて、たくさんのことが平気になった。お金さえ貰えれば、そこら辺の人間にできる性的サービスはたくさんある。恋人とも同じだ。恋人とは金銭のやり取りはないが、それでも変なプレイも割と何でもこなせるし、そんなすべてに平気な私を恋人はエロくて最高!とか何とか言うけれど、それでも、私は平気ではなかった頃の私を知っている。あの頃の私のままで、私は恋人の隣に居たかったし、とても過去の自分を羨みながら生きている。心に沈殿したほの暗いなにかは、時々私の気持ちを痛いほどに締め付ける。

この世界は常にアンダーグラウンドだ。1.死ぬ。2.風俗する。できる選択、考え得る手段がこの二択になるまで、たとえ大事な友人に相談されたとしても私は誰にも風俗を勧めたりはしない。風俗嬢になると言うことは、たくさんのものを失うと言うことだからだ。得られるものもあるが、失ったものの大きさに比べれば……と思うのだ。

なにがなんでも自分を大切にするという強い決意をもってほしい。