恭弥さんの日記

徒然なるままに好きなことを綴っていく

バウンダリーについて

最近ストーカー被害にあったり、
自分のことばかりをマシンガンのようによくしゃべる方と会話したりして、いろいろと思うことがあります。

今日はバウンダリーについて考えてみました。
少し心理学的な要素があるかもしれません。

バウンダリーとは「心の境界線」のこと。
この線引きがうまくできない人がたくさんいるような気がします。
気のせいかな。でも私の周りにもちょくちょくいる気がするんだよね。。。
そもそも線引きがうまくいっていないからストーカーになったり、
マシンガントークばかりしてしまうのでは?と思わなくもないですし。

うーん、こう言うとなんだか難しいかな・・・
簡単に言うと「人との距離の取り方がわからない」から、
つい領域内にぐいぐい入り込み過ぎてしまったり、
逆に人と距離を置きすぎてしまって心を許せる人がいなかったりするのではないか、ということです。
お、こういうとわかりやすい。結構周りにいるのではないでしょうか。

人との関係性において距離感ってとっても大切ですよね。
このバウンダリーは幼少期から人との関係性の中で培われていきます。

そういえば子供たちって距離が近くないですか?
例えば、初めて会った子供たちが仲良く遊び始めたりすること、ないですか?
あと、公園とかでブランコの順番待ちをしている子供たちってぎゅうぎゅうに並んでいません?
初めて会った子ども同士がすぐに仲良くなって遊び始めてしまうのって実はすごいことです。
だってその親同士がすぐに仲良くなるかというと、そうではないことも多々あるからです。

人は思春期を迎えると「個」の概念が出来上がるようになるので
自然と自分の領域を持つようになり、人との距離が開いていくのです。
気を許した相手とまだ気を許していない相手との付き合い方、距離感が変わっていくのもこの時期です。
これがいわゆる「パーソナルスペース」というやつが出来上がる時期とも言えます。

流れとしては思春期に自我が明確になっていき、アイデンティティが確立されていくにつれて
人との距離感が取れるようになり、バウンダリーが明確になっていく、という感じです。
この時に相性や気が合うという感覚も自我の確立とともに、自然的に意識が向けられていきます。

こうして思春期以降は、他者との距離感を自然と測るようになります。
もちろん「相性」や「気が合う」「気が合わない」も大きな影響を及ぼします。

では時々見かける、いきなりぐいぐい領域内に入ってしまったり距離を置きすぎてしまう、
いわゆるバウンダリーが分からない状態って?思春期で明確になるのでは???
バウンダリーがわからなくなることってあるの?とか思いません?
実はあるんです。。。
そして彼らには共通点があります。
それは幼少期から親子関係に問題があったり、学生時代でのいじめ、家庭の事情等での転校を繰り返していたり、
家族などの大切な人を失う経験をしたりしているということ。
こういう経験をしていると、バウンダリーが分からなくなることが多々あるようです。

幼少期から親子関係に問題がある状態というのは、
今でいうモンスターペアレント毒親というとわかりやすいでしょうか。
簡単に言うと過保護・過干渉や暴言・暴力などがある状態。
この状態は子供が母親にコントロールされているため、子供は母親と自分の心理的区別が付かなくなります。
そしてこういう状態を母子癒着状態、と言い、親子関係に問題があるとみなします。

これは大問題です。
なぜなら、子供がバウンダリーをいくら明確に設定しようが、
お母さんはそこを強行突破して入り込んで来たということに他ならないからです。
プライバシーも何もかも、侵害されているということです。
そして、内なる世界をあれこれと破壊されたり指示されたりコントロールされて生きてきたことで、
それが当たり前になり自分を持つことが難しくなります。
母子癒着状態となっているといえます。

幼いころからの癒着状態によって他人との距離が必然的に近くなるので、
バウンダリーは曖昧になりそのうち存在すらなくなるために、相手と自分との心理的区別が付かなくなります。
他人にも投影してしまうがために人との距離感がうまく掴めず、人間関係がうまくいかないのです。
人間関係が良く破綻する方はアイデンティティを喪失してるから、ともいえそうです。
機能不全家庭だったりいじめや暴力の問題も、このバウンダリーが持てない状態にのために起こっているようです。

また転校を繰り返していたり大切な人を突然失う経験を持つと逆にバウンダリーが強固になり、
人を自分の領域の中に入れにくくなる傾向があるようです。
幼少期に味わった傷心によって、人との親密な関係を築きにくくなるのです。
表面的には人当りが良く親しみやすい、普段は周りに人がいるような印象を持つけれど、
距離が近づくにつれて他人に冷たくなってしまったり距離を置いてしまう、というような場合が多いようです。
単に不器用な部分もあって人とどう付き合っていいのか分からない、何をしゃべっていいのか分からない、
つい冷たく振舞ってしまう、という場合もあるかもしれませんね。

これは大人になって傷心を体験した場合にも生まれることがあります。
例えば失恋。例えば離別。
あれ?これって誰もが直面する問題じゃない??そう、人間誰もがこの問題を持つものなんです。
職場の人間関係、友人や恋愛、夫婦、家族の関係性。様々なところにバウンダリーの問題は現れます。
「この人、距離の取り方が難しいな」と感じる人は、現在もバウンダリーの問題を抱えているのかもしれません。

バウンダリーに効果的な改善方法は子供時代の痛みを解放していくことからだといいます。
親子関係や他人との関係で傷があれば、それを癒していくことによって道が開けるとのこと。
インナーチャイルドセラピーも効果的と聞き及びました。
そうしてセラピーを受けることによってバウンダリーが明確になるようです。
グループセラピーではセラピーで出会った同様の悩みを抱える仲間と、
より良い環境の中で距離感を学んでいくことができるとのこと。

セラピーの最終目標には社会の中でその経験を生かしていくこと、というのがあります。
人との距離が楽に取れるようになり親密な友達ができたとかの変化が出てくれば、
より楽に、そしてたのしく過ごせるようになるでしょうか。

自分を尊重する快適な人間関係のために、一歩ずつでも変わっていけたらいいですね。