恭弥さんの日記

徒然なるままに好きなことを綴っていく

僕の家にはオチョナンさんがいます

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 道路に転がっている目玉を踏み潰して、車が走っていく。車には両親と兄、そして幼い陽子が乗っていた。鹿野一家が富沼市に引っ越してきた夜、停電に見舞われる。懐中電灯であたりを見回すと、そこにはオチョナンさんがいた。そして陽子以外オチョナンさんに殺されてしまう。以来陽子には様々なものが見えるようになった。大学生になった陽子は、恋人の誠二にもうすぐ死ぬと予言する。ある日バイク便の巧が目的の住所を探していると、右半身だけの男性に「すみません」と声を掛けられた。それは壁に体の右半分がめり込んでいる誠二だった。誠二は陽子の予言通り、死んでしまったのだった。

 誠二の件の後、巧はバイク便をやめてファミレスでアルバイトを始める。店内にはいつも自分にしか見えない男性客がいた。先輩の陽子にその男には関わるなと助言をもらうも、巧はオーダーを聞くために男に水を出してしまう。それ以降男にアパートの外のごみ置き場でずっと見張られ、外出もままならない。男が居なくなった隙に外に出るも、知らない女に襲われてしまう。アパートに戻ると巧を襲ってきた女と一緒に、いつの間にか戻ってきた男も巧のことを見張るのだった。

 陽子にもうすぐ死ぬと言われた誠二は、自分の部屋のドアに変なシールがついているのを見つける。剥して捨てようとするとシールは右隣の家に貼り付き、翌日部屋の住人は死んでしまった。誠二が左隣の部屋のドアに貼り付けると、そこの住人も死んでしまう。災いをもたらすシールだったのだ。そしてシールは巧のバイクに貼り付いてしまう。陽子のおかげで外に出られた巧がバイクで走っていると、巧のバイクの後ろにオチョナンさんが貼り付いている。そして巧は事故を起こすと、壁に体の半分がめり込んでしまった。死ぬ予定が誠二から巧の変わったのだ。

 時は流れ誠二と陽子は結婚し、息子大樹をもうけて幸せそうな生活を送っていた。しかし押入れの隅にはオチョナンさんがいる。ある停電の夜、誠二は殺された父親を見つけた。さらに身体が半分になった巧に襲われてしまう。誠二は包丁を掴むとオチョナンさんを殺すが、電気がつくと陽子の両親を殺害している自分がいた。そして傍らには幼い陽子がおり、陽子以外の家族を惨殺したのは誠二だったのだ。


 2013年日本映画。ホラーコミックの映画化だ。とにかく時系列がバラバラで難解な作品。原作はオムニバス形式らしい。映画では架空の都市、富沼市で様々な怪奇現象が起こり、主人公がそれに巻き込まれるという構成だ。陽子、誠二、巧の3人の話が同時進行になっている。そのせいか場面や時間軸が前後しているので、余計混乱を招いている。普通に「え?なになに?なんで?」って言っている間に映画が終わってしまった。

 とにかく怪奇現象の見た目が、怪物といってもいいくらいグロテスク。まず冒頭のアスファルトをうねうね這っている目玉。それを踏み潰す車と鹿野一家には、いかにも何か起こるだろうなと思わせてきて不穏すぎる。そのあとも出てくる目玉はキモいし、オチョナンさんは言わずもがなキモい。ほかにも藁を集めて作った仮面のような物を被った?女性や巧をストーキングする男が出てくるが、彼らの見た目がもうとにかく異様だ。あと曰く付きのティーポットや陽子の予言に災いを呼ぶシールなど、ちょっと面白いアイテムもてんこ盛りだった。

 結局オチョナンさんってなに?って感じなんだけど、オチョナンさんは誠二の父によると、両目と口が約90度縦になっている状態だと守り神らしい。ただ両目が少し斜めになったオチョナンさんは、悪いオチョナンさんと言って災いを持ってくる。悪いオチョナンさんの顔は、映画で出て来たシールとそっくりだし、シールを貼られたらオチョナンさんに祟り殺されてしまうのかな?ていうか守り神なんだね。こんなにキモくて怖いのに🥺 それは関係ないか。